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言いたいけど言えない、聞いてくれる人がいない! だから神様におあずけッ!
by flamencoigirl
THE ハプスブルク(スペイン・オランダ画)
スペイン絵画は来てる点数こそ少ないものの、どれも取り上げたくなるような作品ばかり。

まずはハプ家所蔵だった作品。あの有名な王女さまです。



まだ実績のあまりなかったヴェラスケスを見出して宮廷画家にしたことは
フェリペ4世の最大の功績、とまで言われているそうです。

私は、マルガリータ王女とはルーブルでお会いしてます。王女が3歳の時の絵。
今回は5歳になった彼女に出会えました。
3歳の時よりもちょっとだけ顔が面長になって、
モデルも慣れたものって感じの自然な佇まいです。
髪のリボン、ウェーブしたやわらかそうな金髪が愛らしかったです。

同じくヴェラスケスの「皇太子フェリペ・プロスペロ」や
エル・グレコ「受胎告知」も良かったですが、ムリーリョ好きとしてはこれ。
「聖家族と幼い洗礼者聖ヨハネ」



地味ながら、なんだかグッとくる作品でした。
聖家族でありながら、素朴で温かい、ごく一般的な家庭のような雰囲気が良い。
この子たちが数奇な運命をたどってしまうんだなぁ…と、
イエスとヨハネが遊びで作っている十字架を見てなんだか切なくなります。

「私には、いつでも一人でこっそり考えていることが在るんです。
それはあなたが、くだらない弟子たち全部から離れて、
また天の父の御教えとやらを説かれることもお止(よ)しになり、
つつましい民のひとりとして、お母のマリヤ様と、私と、それだけで静かな一生を、
永く暮して行くことであります…
…一生、安楽にお暮しできます。私がいつでもお傍について、
御奉公申し上げたく思います。よい奥さまをおもらいなさいまし。」

これは太宰治の「駆け込み訴え」の中のユダのセリフですが
なんだか、こんな気分にさせられます。

同じくムリーリョ「悪魔を奈落に突き落とす大天使ミカエル」も、
天使の顔があまりにも甘く美しくて、迫力には欠けるものの、綺麗で良かったです。

最後はフランドル・オランダ絵画のコーナーです。
有名どころの、ルーベンスやブリューゲルは置いておいて
(彼らもハプ家のお抱え画家でした)
私が「この絵知ってるー!」と思ったのは
「ヘルマフロディトスとニンフのサルマキス」




間抜け面に描かれたヘルマフロディトス(奥)、
彼はこの後起こる悲劇にまだ気づいていない…
一方、手前のサルマキス、ほとんど背中しか見えてないのに、
このねじれたポーズといい、ヘルマフロディトスにロックオン!的な顎の引き具合といい、髪の毛のぐにゃぐにゃ加減といい、何となく蛇っぽい女の執念を匂わせます。
何かしでかしそうな予感満点ですね!

ヘルマフロディトスに叶わぬ恋をした彼女は、
このあとこっそり泉に入り、彼に抱きつくと、
神様に「二人を決して離れないようにしてください」とお祈りします。
願いは神に聞き入れられ、二人はその言葉通り…

融合(両性具有)という形で離れられなくなってしまいました。

ヘルマフロディトス、
気の毒すぎ・゚・(ノД`;)・゚・

そんな事件の直前を切り取ったこの絵、
作者はバルテロメウス・スプランゲルという方だそうで、わたし全然知らなかったし
どこの何で見たかすら忘れたのに、すごい鮮明に記憶に残ってたんです。
実物を見てもやっぱりカナリ衝撃的でした(笑)

…と、こんな感じでしょうか。
紹介しきれないくらい沢山の作品がある展覧会でした!
# by flamencoigirl | 2009-12-03 11:52 | 行った観たレポート
視線の先は?(ハプスブルク展レポ)
ハプスブルク展の続き。

肖像画コーナーを過ぎてイタリア美術のコーナーです。
ここではジョルジョーネの「矢を持った少年」が目を惹きました。



不思議な目つきで、こちらを見ているような見ていないような、
まるで夢を見ているかのようです。
音声ガイドでは確か「この瞳に心を射抜かれる」と言っていましたが、
たとえばマリア・テレジアの肖像のような強い瞳じゃないんですよね。
にもかかわらず、こちらがつい見つめ返して、目が離せなくなるような佇まいです。
この少年はアモルなのか、聖セバスティアヌスなのか、それとも実在の人物なのか…
それもまた謎だそうです。

イタリア絵画もうひとつ。ヴェロネーゼの「ホロフェルネスの首を持つユディット」。



鮮やかな色使いで美しいユディットを描いています。
ユディットは勇ましくもなく、むしろ手弱女な風情です。
ちなみに音声ガイドでは「冷静そのもの」と言ってたと思うんですが
私には、冷静というより
「キモッ、早く袋に入れちゃいましょ!」みたいな表情に見えるのですが…
敢えて生首から目を逸らして、ちょっと不快そうに顔をゆがめているような。
私はそれはそれで、冷静なのよりかえって残酷かも、って思ったりします。
皆さんにはどう見えますか?

お次はドイツ絵画。
生首ばかり続いてすみませんが(笑)
クラナッハの「洗礼者聖ヨハネの首を持つサロメ」



なんなんでしょう、この記念撮影のような落ち着きは。
手に生首がなければ普通の肖像画のようです。
肌の質感が妖艶で、彼女のストリップならヘロデ王が喝采したのもわかるというもの。
クラナッハ独特の半目で、これまた、こちらを見ているようで見ていない、
自分の世界の中で、ちょっと満足げに薄笑いをしています。
このサロメは、きっとオスカー・ワイルドの書いた「サロメ」のように、
叶わぬ恋に狂ってヨハネの首を所望したに違いない。
…と思えるようなサロメで、不思議な凄まじさがありました。

次回はラスト、スペイン絵画とフランドル・オランダ絵画です。
ホントこうやってみると、ボリュームのある展覧会ですねー。
# by flamencoigirl | 2009-12-03 11:40 | 行った観たレポート
THE ハプスブルク展(肖像画)
今日は、行きそびれてた「THE ハプスブルク展」に行ってきました。

出不精な私は、誰かに急かされないと「行く!」と決めてからも愚図愚図するタイプで
ともすると結局行かなかったりしてしまうほうです。
ちなみに前に行こうと思った日には雨が降ってたのを理由に行きませんでしたあせあせ(飛び散る汗)

今日は雨も降らないし、10時間以上寝て体調も万全だし、
よしっと思ってちょっとおめかしすることに。
そうするとテンションが上がってお出かけモードになるんですね。
ちょっとよそ行きのワンピースの上にセーターを着てカジュアルダウンして
髪の毛にカーラー巻いてちょっと内巻きにしてみたりとか、お化粧ちゃんとしたりとか。
ゆっくり寝たせいか足のむくみもなく、ブーツのファスナーがスッと上がってご機嫌で出発です。

15時前に到着。混んでました…
でも、入場制限はありませんでしたので、そのまま館内へ。
音声ガイドは高嶋政宏さんです。ハプ家の歴史的な説明も多少してくれるし、
混んでてキャプションが読めなさそうな時には非常にお勧め。
私は上の二つの理由から今日は音声ガイドさまさまでした。

最初は肖像画のコーナー。
いきなり私の見たかったシシィの肖像画が目に飛び込みます。



この肖像画、こんなに大きかったんだぁ…
エリザベート、愛称シシィは、オーストリア皇妃で、ハプスブルク斜陽期の花一輪。
とても奇麗な方でした。ご本人も自分の美しさはもちろん知っていて、
そのプロポーション維持に並々ならぬ心血を注いでいらっしゃったとか。
一説には、大好きな乗馬のための体重維持とも言われています。
170センチ以上の身長で、ウエストは50センチだって…!
そのお隣には生涯旅好きで奔放なエリザベートを愛した
皇帝フランツ・ヨーゼフ一世の肖像も。

他に良かったのは少女時代のマリア・テレジア(マリー・アントワネットの母)の肖像。



11歳とは思えない強い瞳が、確かに将来オーストリアを強国にする人だ、と思わせます。
何か大きなことをする人って、目に力がありますよね。

肖像画の次のコーナーはイタリア絵画。

音声ガイドによるとハプ家出身のカール5世がティツィアーノを御用画家にして
「私のアペレス」と呼んだそうです。このアペレスというのは伝説の画家で
あのアレクサンダー大王が愛し、自分の肖像はこの画家以外に描かせなかったとか。
偉大なアレクサンダー大王に倣って、神聖ローマ帝国皇帝であるカール5世も、
ティツィアーノを起用後、彼にしか肖像を描かせなかったらしいです。
しかし残念ながら、カール5世の肖像は今回観ることができませんでした。

その代わりというのは違うかもですが「イザベッラ・デステ」の肖像がありました。
調べによると、カール5世はこれを見て
ティツィアーノの手腕に感服し召抱えることにしたとか…?



美しいですよね。確かに美しい人だったみたいですけどね、
…でもね、これ描いたのってイザベラが60過ぎた時らしいよ。
(音声ガイドによるうろ覚えですが、たぶん…)
そりゃその腕があれば、御用画家も余裕ですね、ティツィアーノさん!

しかし、ハプスブルク家はホントにヨーロッパのいろんなところに散らばってたのね。
そのおかげで、イタリア、スペイン、ドイツ、フランドル絵画まで観ることができるってスゴイ。

今回来日したコレクションの多くは、ハプスブルク家が歴代集めたものですが、
それ以外にもウィーン美術史美術館、ブダペスト国立西洋美術館から
ついでに一緒に借りて来ちゃいました♪的な作品もちらほら。
いきなりラファエロの「若い男の肖像」が脈絡なくあったりとか(笑)

次回はそういう関係ないのも含めて、気に入った絵をレポートします。
# by flamencoigirl | 2009-12-03 11:32 | 行った観たレポート
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